【恋バナ】ウブすぎる初デート!初夏の公園のベンチで8時間デートした話

新潟県在住30代の女性です。 このエピソードは高校生の時の話です。
高校に入ってすぐに仲良くなったクラスの子に、近隣の高校に通う同い年の彼氏がいました。
ある時その子から「彼氏と一緒に帰る予定なんだけど、友達も一緒みたいだからマーちゃん(私の名前)も一緒に来てよ」と誘われました。
学校の門の前で待ち合わせをしていた彼氏はおしゃれな青年で、その友達も似たような雰囲気の男の子でした。
第一印象は武田真治に影響されまくってんな。というような。
世代ですね(笑)
ダブルデートのような下校が何日か続き、それが当たり前の慣習になっていきました。
ほどなく私と武田真治系の彼(川田くん)は付き合うことになり、初デートの約束を取り付けました。
初めての川田君との二人きりのデートは、休日に駅前で待ち合わせをして一緒に遊ぼうという計画でした。
午前9時、とりあえず私たちは駅の近くの公園に行きました。
その公園は子供が遊ぶ遊具があるようなタイプではなくて、花壇の緑を眺めて憩うタイプの公園でした。
私たちはノープランで公園のベンチに座って話をしました。
初めてのデートにしてはお互いにリラックスして会話に集中できていたと記憶しています。
ところが問題はここからです。
川田君も私も何をして遊んだらいいかわからない。
ふたりでカラオケやボーリングに行くとか、街へ繰り出してウィンドウショッピングを楽しむとか、散策できるような自然豊かな公園へ場所を移すとか、低予算だっていかようにもやりようがあるじゃないの。
今ならばそう思います。
しかし私たち二人はそれができませんでした。
背伸びして大人の真似事をしようにも、そのお手本になるような“遊びつけた大人”が周りにいなかったのです。
私たちは午前中をずっと公園のベンチで過ごしました。
川田君は自動販売機でジュースをおごってくれました。
お昼ご飯はコンビニへ行ってサンドイッチやおにぎりを買ってきて、なぜかまたその公園へ戻って来て、ベンチで食べました。
コンビニへ行く途中に川田君が私の手を握りました。
午後になっても私たちは公園の中を少し歩いてみたり、トイレに行ってみたり、そしてまたベンチに戻るの繰り返し。
午後も川田君はジュースをおごってくれました(笑)
その日は真夏日で、風薫るさわやかな季節ではありましたが相当に暑かったです。
午後3時を過ぎるころには話すことも尽きた感がありました。
半そでスカートで一日中日向のベンチに座っていたので、肌が出ている部分が明らかに日焼けしていました。
新学期早々半そで焼けの後がクッキリついてしまいました。
土埃も浴びて、心なしか皮膚が薄汚れてきて、陽が傾いてくるころのけだるい疲労感たるや運動会の閉会式とそっくりでした。
結局私たちは午後5時くらいまで公園にいて、その日のデートは終わりました。
それなりに楽しい時間を過ごせた、ということに間違いはないのですが…。
けれど、なんとなく「だっさー」って言われそうだから友達には今日のデートの内容は言わないにしよう。 私はそう思いました。
川田君に対しても自分自身に対しても 、
「ねえ、ほんとにデートってこれで合ってるの?」
「デートってさ、なんかもうちょっとこう、大人っぽいことをするみたいなさ、ほら。もっとキャッキャするみたいな風じゃないんかなぁ?あれは違うんじゃないかな…?」
という甘酸っぱい失望を残すデートでした(笑)